病名 恋煩い

いらなくなって捨てた傘

2021-01-01から1年間の記事一覧

何も変わらないお話

貴方のいない人生で 今日も下手な生き方をしている それでも夜は開けるし朝日は昇る 食べるものはちゃんと美味しいし 力強く咲く花は綺麗だし 数少ない友人との何気ない会話は楽しかった 貴方がいないだけで 私の繰り返してた毎日は変わらなかった 変わって…

クリスマスプレゼントのお話

私は口紅が嫌いだ。 貴方から口紅を貰った。 「僕と会う時だけつけてね」 との事らしい。 日に日に減っていくのが楽しみだった。 自分では買わない様な色だったので、どんな服と合うのか試行錯誤する時間が好きだった。 好きだった。 だけど今はもうつけるこ…

青春の終わりのお話

「ねぇねぇ、そういえばね。私彼氏出来たの」 僕の青春は静かに終わった。 明日の授業がダルいな〜って話していたのに 唐突に終わりを告げられた。 「え〜ウケる、誰々?ググるわ」 「もぉ、違うよ現実現実4組の、、、」 頑張りなよ。 応援してるよ。 とか在…

寒い星空の下でのお話

「ねぇねぇ、これどうかな可愛い?」 この頃、君は急に可愛くなった。 すっきりと切った栗色の髪。 揺れるたびにきらめくピアス。 今までだったら選ばない派手な服 目が合うとすぐに逸らすその仕草が僕の心をくすぐった。 「最近変わったよね」 やっと二人に…

親友と結婚式のお話

「ごめん!ほんっっっとごめん!今起きた!10分だけ待って!ね?お願いします!!!」 返事をする間もなく、扉は閉まった。全裸にタオルケットを巻いていただけだった。 水で濡れているわけでもないのに。 玄関には見慣れた男性物の靴が。 目の焦点が合わな…

喫煙所で失恋をしたいお話

最初は。「ライター貸してくれません?」っていう会話から始まるんだけど、そのうち毎日見かけるから。 仕事は? 何歳? へ〜私より一個下なんだね。と話題がどんどん進んでいて。 君は彼女とかいるの?みたいな話題が進んでしまった時にはもう死ぬほど好きに…

後ろ姿しか私には見えないお話し

「また俺の後ろ姿かいてるし」「ほら、振り向くなよモデルさん」 「ただで練習に付き合わされるのか。一枚くらい絵をくれよ」「一枚二万な」「ぼったくりだろ・・・」 「つか正面のほうがよくね、俺そっちむくよ」「いや、いい。後姿のほうが好きだし」 あんた…

まだ未練を捨てきれないお話し

今年のもう夏も終わって。 日差しはまだ痛いくらいだけど 吹く風は心地良い涼しさで、それが辛かった。 いっそのこと涙も貴方への気持ちも乾くくらいに暑い日ならどれだけ良かったか。 どれだけ、良かっただろう。 ベランダに出て煙草に火をつける。 煙を吸…

私の幸せに貴方がいないお話

気持ちの良い朝だった。 夏の暑さと湿気が消えていく夜の空気の中で 好きなお酒を飲んで。 好きな音楽を聴いて。 好きな煙草を吸う。 好きな人の声を聞く。 私はこれが一番好きだった。 一番好きなはずだった。 大好きな時間だった筈なのに 手の届く距離に声…

役に立たない特殊能力のお話

私には特殊能力がある。 「昨日のあの番組どうだった?」「んー、ちょっと微妙だったかなー」 あっ、不味いこの子あの人のファンだったな。 「昨日のあの番組どうだった?」 「最高だったよ」「だよねー特に・・・」 時間を巻き戻し最大10秒まで巻き戻せるのだ…

眠り姫

耳鳴りが止まらない。 外が騒がしい。 私はまだ眠っていたいのに。 鳥の囀り 人の声 車の騒音で私は現実に戻される。 正夢の言葉を信じて。 夢を夢として。 一時の幸せを永久と考え過ごしていたい。 また一から受け止めないといけないのか。 貴方がいない世…

人殺し

「あ〜ごめんね、別の人ができたから。じゃあね、適当に君も幸せになりなよ」 他人に近付いて 知り合いを惑わせて 友達の弱みを抱き締めて 親友に嘘の弱みを吐き出して 大切な人と体を交えて 私だけの物にする。 愛情をひたすら貪って、飽きたら捨てる。男も…

言葉の訳し方

人間はロマンチストな生き物なので言葉に訳をつけることがある。 例えば 月が綺麗ですね だったら 貴方を愛していますだ まぁ、今時こんな臭いセリフを言える人間にまともな奴はいないけどね。 特に「友達でいよう」 こう言う輩は要注意である その言葉の訳…

午前零時

「私のどんなとこが好き?」 「大人っぽくて、余裕がある所」 それは褒め言葉じゃなくて、ただの呪いだ。 望んだら会いに来てくれますか 望んだら私の好きな物に興味を持ってくれますか 望んだらそのままの私を好きになってくれますか そんな事を言って困ら…

似た物同士

「いや~、まさか一緒に勇気を出してみよって励まし合ってたのに、2人共振られることになるなんてね」 安っぽい居酒屋で安っぽい酒を飲む。 別に最初から僕は君が好きなんだけどな。 どうしてもこっちを向いてくれないから、適当に顔が似てる子を代わりにし…

花火のように

見に行った花火のことはだいたい色から忘れていく 見られなかった花火の事は覚えているずっと 付き合った人は何故好きだったか何故付き合ったか忘れていく、別れる時にあれだけ縋り付いたことさえ。 逆に付き合えなかった人は何故好きになったかは忘れない呪…

最低な朝

よく映画とかドラマで、好きでもない人と迎える朝は最低な朝だと言ってきたが。 しかしそれは結果の話であり その時その時は求めていて楽しんでいるのである。 だからまた暇な時間や呼ばれた時にホイホイとあってしまうわけであって。 だって君が会ってくれ…

惚れ薬

「今日はどうして呼んだんですか?」 と聞いたはいいが実は理由は分かっている。今度は今度こそは違う理由だったらいいな、なんて。 「ふふっ、聞いてくれよ後輩ちゃん。ついについにだね完成したんだよ惚れ薬が」 考えても無駄ねやっぱり。 「はぁ…まだそん…

ガム

なんで相手には誠実さだとか求めてんの? なんでまともな恋愛をして楽しんでんの? 僕に残ったさこの行き場のない感情はどうすればいいんですか。 街中を歩いてた時誰かに吐き捨てられたガムを 踏んでしまった時みたい。 こびりついて離れない。 汚く見えて…

私もです

好きな人に会いたいですか。 好きな人に好きって言われたいですか。 好きな人に抱きしめられたいですか。 好きな人にキスされて求められたいですか。 好きな人に触れられて 壊されて 上手に上手に溶け合いたいですか 夏なのにひとりですか。 声も聞けず会え…

駅のホーム

僕ら本当に好きで付き合ったんだっけ? ただ僕が勝手に恋して、タイミングが合っただけだっけ? 相思相愛になったって思ったのは勘違いだったね いつまでもこんな関係続くとは思ってなかったけど 想像より早くあっけなく終わったね。 「本当に愛してました?…

禁煙

たばこはやめたんだ。 君は飲み会の席で言った どうやら新しい彼女の影響らしい。 私や友人達が何度禁煙を勧めても駄目だったけれど、ようやく重い腰を上げたようだ。 「やるじゃん」 と褒める私に君は 「ごめんね」 と小声で言った。 その声の温度でこのま…

死にたくなりたい

小学生の時に同じクラスになって、友達になって親友になって中学生くらいで貴方への恋心を自覚して死にたい。 高校生で無駄にボディタッチが多くなる頃に自分だけ邪な感情抱いて罪悪感で死にたい。 社会人になってからも、友達のままで週一で家に遊びに行く…

告白をする資格

私の好きな人と友達が付き合い始めた けれど私に悲しむ資格はない。 友達の背中を押して 朝も夜も悩みを聞き続けて デートプランも一緒に考えて 好きな髪型や服装も教えたのは 他でもない私なのだから。 「言われた通りにしてたら、本当に恋が実ったよ。でも…

白紙の手紙

ゲームで貴方と知り合いました。 LINEを交換して。 メッセージを何日か送りあって。 色んなことを話しました。 会う気なんて全くなくて 暇を潰せたらなんて思ってました。 好きなものだとか嫌いなものだとか たわいもない会話を続けていました。 いつ一緒に…

なにも知らないままでいたかったね

キミは私に色んなことを教えてくれた。学校のことや、部活のこと。オススメの曲や、面白いアニメ。恋をする楽しさだって、相手の返事に一喜一憂するドキドキ感もキミと会うことがなかったら全部しりえなかったことだ。 ・・・でもね、キミが笑顔で彼女ができ…

夏の暑さ 2

その後から貴方は私の目を見てこなくなった。普段なら鬱陶しいくらいに私の顔を見てくる癖に。 冷房もつけずに、ぼたぼたと汗がベッドに落ちて、溶けてしまいそうなほど心と体は熱くて。幸せ。とても幸せだけれど、貴方の優しさが何故か痛かった。それはまる…

夏の暑さ 1

汗で額に張り付く髪。鬱陶しいくらいの蝉の声 。容赦なく肌を焼く日差し。夜中の特別な涼しさ。 夏が好きだった。好きな人が好きだったから。夏が好きだった。日が長く明るい時間が多いから。 夏を嫌いになった。好きな人が居なくなったから。夏を嫌いになっ…

初めまして

顔も名前もわからないどこの誰か様へ あの人がいつも付けてる、そのマフラーおしゃれでしょ? 私とお揃いなんだよそれ。 いつも学校帰りに寄るカフェ、雰囲気いいでしょ?私のお気に入りなのよ。 彼ギター上手だよね、一緒にセッションするために二人でいっ…