病名 恋煩い

いらなくなって捨てた傘

寒い星空の下でのお話

「ねぇねぇ、これどうかな可愛い?」

 

この頃、君は急に可愛くなった。

すっきりと切った栗色の髪。

揺れるたびにきらめくピアス。

今までだったら選ばない派手な服

 

 

 

目が合うとすぐに逸らすその仕草が僕の心をくすぐった。

 

「最近変わったよね」

 

やっと二人になれた中庭で、君は真面目な顔で答えた。

 

「好きな人ができたの」

 

それが別れの言葉だと、理解した時にはもう遅すぎた。