病名 恋煩い

いらなくなって捨てた傘

役に立たない特殊能力のお話

私には特殊能力がある。 「昨日のあの番組どうだった?」「んー、ちょっと微妙だったかなー」 あっ、不味いこの子あの人のファンだったな。 「昨日のあの番組どうだった?」 「最高だったよ」「だよねー特に・・・」 時間を巻き戻し最大10秒まで巻き戻せるのだ…

眠り姫

耳鳴りが止まらない。 外が騒がしい。 私はまだ眠っていたいのに。 鳥の囀り 人の声 車の騒音で私は現実に戻される。 正夢の言葉を信じて。 夢を夢として。 一時の幸せを永久と考え過ごしていたい。 また一から受け止めないといけないのか。 貴方がいない世…

人殺し

「あ〜ごめんね、別の人ができたから。じゃあね、適当に君も幸せになりなよ」 他人に近付いて 知り合いを惑わせて 友達の弱みを抱き締めて 親友に嘘の弱みを吐き出して 大切な人と体を交えて 私だけの物にする。 愛情をひたすら貪って、飽きたら捨てる。男も…

言葉の訳し方

人間はロマンチストな生き物なので言葉に訳をつけることがある。 例えば 月が綺麗ですね だったら 貴方を愛していますだ まぁ、今時こんな臭いセリフを言える人間にまともな奴はいないけどね。 特に「友達でいよう」 こう言う輩は要注意である その言葉の訳…

午前零時

「私のどんなとこが好き?」 「大人っぽくて、余裕がある所」 それは褒め言葉じゃなくて、ただの呪いだ。 望んだら会いに来てくれますか 望んだら私の好きな物に興味を持ってくれますか 望んだらそのままの私を好きになってくれますか そんな事を言って困ら…

似た物同士

「いや~、まさか一緒に勇気を出してみよって励まし合ってたのに、2人共振られることになるなんてね」 安っぽい居酒屋で安っぽい酒を飲む。 別に最初から僕は君が好きなんだけどな。 どうしてもこっちを向いてくれないから、適当に顔が似てる子を代わりにし…

花火のように

見に行った花火のことはだいたい色から忘れていく 見られなかった花火の事は覚えているずっと 付き合った人は何故好きだったか何故付き合ったか忘れていく、別れる時にあれだけ縋り付いたことさえ。 逆に付き合えなかった人は何故好きになったかは忘れない呪…

最低な朝

よく映画とかドラマで、好きでもない人と迎える朝は最低な朝だと言ってきたが。 しかしそれは結果の話であり その時その時は求めていて楽しんでいるのである。 だからまた暇な時間や呼ばれた時にホイホイとあってしまうわけであって。 だって君が会ってくれ…

惚れ薬

「今日はどうして呼んだんですか?」 と聞いたはいいが実は理由は分かっている。今度は今度こそは違う理由だったらいいな、なんて。 「ふふっ、聞いてくれよ後輩ちゃん。ついについにだね完成したんだよ惚れ薬が」 考えても無駄ねやっぱり。 「はぁ…まだそん…

ガム

なんで相手には誠実さだとか求めてんの? なんでまともな恋愛をして楽しんでんの? 僕に残ったさこの行き場のない感情はどうすればいいんですか。 街中を歩いてた時誰かに吐き捨てられたガムを 踏んでしまった時みたい。 こびりついて離れない。 汚く見えて…

私もです

好きな人に会いたいですか。 好きな人に好きって言われたいですか。 好きな人に抱きしめられたいですか。 好きな人にキスされて求められたいですか。 好きな人に触れられて 壊されて 上手に上手に溶け合いたいですか 夏なのにひとりですか。 声も聞けず会え…

駅のホーム

僕ら本当に好きで付き合ったんだっけ? ただ僕が勝手に恋して、タイミングが合っただけだっけ? 相思相愛になったって思ったのは勘違いだったね いつまでもこんな関係続くとは思ってなかったけど 想像より早くあっけなく終わったね。 「本当に愛してました?…

禁煙

たばこはやめたんだ。 君は飲み会の席で言った どうやら新しい彼女の影響らしい。 私や友人達が何度禁煙を勧めても駄目だったけれど、ようやく重い腰を上げたようだ。 「やるじゃん」 と褒める私に君は 「ごめんね」 と小声で言った。 その声の温度でこのま…

死にたくなりたい

小学生の時に同じクラスになって、友達になって親友になって中学生くらいで貴方への恋心を自覚して死にたい。 高校生で無駄にボディタッチが多くなる頃に自分だけ邪な感情抱いて罪悪感で死にたい。 社会人になってからも、友達のままで週一で家に遊びに行く…

告白をする資格

私の好きな人と友達が付き合い始めた けれど私に悲しむ資格はない。 友達の背中を押して 朝も夜も悩みを聞き続けて デートプランも一緒に考えて 好きな髪型や服装も教えたのは 他でもない私なのだから。 「言われた通りにしてたら、本当に恋が実ったよ。でも…

白紙の手紙

ゲームで貴方と知り合いました。 LINEを交換して。 メッセージを何日か送りあって。 色んなことを話しました。 会う気なんて全くなくて 暇を潰せたらなんて思ってました。 好きなものだとか嫌いなものだとか たわいもない会話を続けていました。 いつ一緒に…

なにも知らないままでいたかったね

キミは私に色んなことを教えてくれた。学校のことや、部活のこと。オススメの曲や、面白いアニメ。恋をする楽しさだって、相手の返事に一喜一憂するドキドキ感もキミと会うことがなかったら全部しりえなかったことだ。 ・・・でもね、キミが笑顔で彼女ができ…

夏の暑さ 2

その後から貴方は私の目を見てこなくなった。普段なら鬱陶しいくらいに私の顔を見てくる癖に。 冷房もつけずに、ぼたぼたと汗がベッドに落ちて、溶けてしまいそうなほど心と体は熱くて。幸せ。とても幸せだけれど、貴方の優しさが何故か痛かった。それはまる…

夏の暑さ 1

汗で額に張り付く髪。鬱陶しいくらいの蝉の声 。容赦なく肌を焼く日差し。夜中の特別な涼しさ。 夏が好きだった。好きな人が好きだったから。夏が好きだった。日が長く明るい時間が多いから。 夏を嫌いになった。好きな人が居なくなったから。夏を嫌いになっ…

初めまして

顔も名前もわからないどこの誰か様へ あの人がいつも付けてる、そのマフラーおしゃれでしょ? 私とお揃いなんだよそれ。 いつも学校帰りに寄るカフェ、雰囲気いいでしょ?私のお気に入りなのよ。 彼ギター上手だよね、一緒にセッションするために二人でいっ…

タバコ

とあるカフェで目が合う、好きだった彼の隣にいるのは、知らない誰か。 「ん~どしたの急に固まって??知り合いでもいた?」「あ、いや。なんでもないよ。タバコ吸ってもいい?」「いつも勝手に吸ってるじゃん、ど~ぞ」 楽し気に笑う元カレと知らない誰か…

卒業式

たった3年間というには長すぎる、日常が今日終わるそれだけの事だ。 クラスの中心人物のように特に表立った用な事はしてこなかった。 一緒に放課後遊びに行くだとか、写真を残すような間柄の友達もいなかった。 文化祭は参加してこなかった、孤独を感じるの…

事実は小説より奇なり

小説みたいな話は現実にも、山ほどある。 もしかしたら現実が先かもしれないけど まぁそんなことはどうでもいいよね 僕は、女の子に包丁を突きつけられたこともある。 手を握って「貴方のことをずっと、想い続けてるわ」 って言われた次の日に別れたこともあ…

この言葉がほんとになったらいいのにね

「おーー!花火マジで綺麗だな」 「ちょっと先にみんなで写真撮ろうよ!」 はぁ、ただ光ってうるさいだけじゃん。何がいいんだか。 花火の良さは当分わかりそうにない 「ねぇねぇ、お姉さんさ今一人なの?」 「あーいや、友達と待ち合わせしてるので」 「い…

白紙

髪型を変えた、あの子は肩まで髪を伸ばしてないから コンタクトに変えた、あの子はメガネをかけてないから 香水を変えた、あの子はもっと甘い匂いがするから ねぇ、どこまで私を消せばあなたはこっちを向いてくれるの 私を見てよ

夢の中で

何度も何度も思い出すんだ。 貴方が当たり前のように隣にいてくれた日々のことを。 貴方に言われて怒ったこと。 悲しかったこと。 嬉しかったこと。 辛かったこと。 何度も思い出してまた辛くなるんだ。

今日は

今日は床に足の踏み場があった。 今日は飲みかけの空き缶が机の上に置かれてなかった。 今日は食べかけのお菓子の袋がなかった。 今日は冷蔵庫にちゃんと食材が入っていた。 今日はいつもと同じ時間に来たのに起こす必要がなかった。 今日はシングルだったベ…

彼氏が出来ました

【⠀彼氏が出来ました。】 文字を追う事は出来たけれど 意味を理解するのに時間がかかった。 何ができて何ができなかったんでしたっけ? あの人部屋の前に着いてから 道中の記憶がない事に気付いた。 歩いてきたのか走ってきたのか 関係無しに胸が締め付けら…

それだけの話

朝7:10分 滑り台があるだけの、特に目立つ物は何にもない公園での待ち合わせ。 7:13分 いつもの様に眠そうに目を擦りながら歩く君が来ると、私はスっと目を逸らして知らないふり。 7:15 そしていつものメンバーと下らない話をして 登校する。 たったそれだけ…

来世では私とも付き合ってね

みんなが笑顔で写真を撮り。 今までの思い出を語り合い。 次の人生のスタートに心踊らせている時。 私は1人泣いていた別に受験に失敗したわけじゃない。別に友達と別れるのが辛いわけでもない。別に特別なことがある訳でもない。 今日が過ぎれば貴方に会えな…