とあるカフェで目が合う、好きだった彼の隣にいるのは、知らない誰か。
「ん~どしたの急に固まって??知り合いでもいた?」
「あ、いや。なんでもないよ。タバコ吸ってもいい?」
「いつも勝手に吸ってるじゃん、ど~ぞ」
楽し気に笑う元カレと知らない誰か。
[なんでもない]そうなんでもなかった。
ベットがやけに広いこと。
突然涙が出る量が増えたこと。
夜眠ることができなくなったこと。
君にとっては何でもない
泣きながら過ごしたあの日。
笑いながら幸せだった日常がなくなった。
君には知るよしもない。
吐き出されたタバコの匂いががやけに鼻につく。
煙を吐くときたまに私の名前を呼べばいいのに。
タバコの煙なれればいいのに。
いつまでも肺に残って寿命を縮めるそんな存在になりたかった。