病名 恋煩い

いらなくなって捨てた傘

来世では私とも付き合ってね

みんなが笑顔で写真を撮り。

今までの思い出を語り合い。

次の人生のスタートに心踊らせている時。

 

私は1人泣いていた
別に受験に失敗したわけじゃない。
別に友達と別れるのが辛いわけでもない。
別に特別なことがある訳でもない。


今日が過ぎれば貴方に会えなくなってしまう。

長い長いシンデレラ

たったそれだけ。

それだけのこと。

簡単で複雑な事。

 

きっともう話す事はなくなってしまうんだろうね。


だから私はあなたを呼び出した。

きっと私の気持ちは拒否されてしまうんだろうな。

 

数ヶ月後にはなかったことになる。

貴方の中ではほんの小さな出来事。

私は主人公じゃないから

君の物語の端っこに名前も語られず

出てくるんだろうな

 

 


丁度約束の時刻。


約束の時刻から10分

みんなは写真を撮り終えて帰り始めている


約束の時刻から30分
静かになった。みんなは既に帰ってしまった


約束の時刻から1時間

風邪の音がやけに耳に残る


約束の時刻から3時間

只意味もなく時間は過ぎていく

 

約束の時刻から5時間

辺りはもう既に暗い


約束の時刻から

 

約束の


約束



やっぱり来なかった。
辺りはすっかり暗くなっている。
私の学校生活は貴女に告白するまで終われない。


「君!そこで何している!」

 

怒鳴り声が聞こえる

まぁ、考えるのもめんどくさいし。
後のことは来世の私に任せよう。

じゃあね。